すのふら

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日々の備忘録

日経ネットワークの「インターネットができるまで」メモその2

日経ネットワーク2018年5月号の「インターネットができるまで」がよくまとまっており学びがあったので、学んだところをメモする。続き。

snofra.hatenablog.com


TCP/IP:データを小包に分けて送る

ここではTCPからTCP/IPへの変遷について記載されている。
TCP/IPについてはある程度の知識は持っているが、TCP時代の話は知らなかったので勉強になった。

TCPTCP/IP

1974年当初トランスポート層ネットワーク層は分割しておらず1つだった。それがTCP
1978年にトランスポート層(TCP)とネットワーク層(IP)が分割することになった。

その間4年なので結構短い。

なぜ分割されるようになったのか

TCPプロトコルTCPUDPかを判断することになるのだが、送信元と送信先間のみで必要なプロトコル

送信元と送信先間に存在するルータはこのプロトコルは不要というか、むしろ経路だけ確認すればいいルータにTCPなのかUDPなんて負荷がかかってしまうだけなので分断。

フラグメント処理

ルータはパケットのMTU(Maximum Transmission Unit)に合わせてパケットを分割(フラグメント処理)を行いつつ、送信先へ。
一度分割されたらマージされることはなく、送信元でパケットを結合してデータを取り出すことになる。


IPアドレス:みんなが自分だけの住所を持つ

IPアドレスについての歴史と、IPv4が枯渇しているということが記載されている。

IPアドレスの振り分け

IPは自分で好き勝手に割り当てられるものではなく、一元管理される。IANA(Internet Assigned Numbers Authority)(アイアナ)で管理していた。

だが、運用費用の一部を米国政府の研究費用に使われていたことが非難されて、1998年にICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)(アイキャン)が設立。
IANAが担っていた役割は2000年にICAANに引き継がれた。

引継ぎまでに17年かかっているの意外に時間かかってるなあと。

クラスによる割り当てについて

クラスによる割り当てとCIDR(Classless Inter-Domain Routing)による割り当てがある。

CIDRってどんなのだったっけとかたまに超初心者感出しちゃうんだけど英語でみるとそのまま書いてるのね。
クラスによる割り当てとクラスじゃない割り当てってこと。略語の理解大事。

なぜCIDRが使われるのか

そもそもクラスはIPアドレスの分類のことを言う。
クラスによる割り当ては基本クラスA~C*1*2まである。

  • クラスAがネットワーク部8ビット。0.0.0.0~0.255.255.255
  • クラスBがネットワーク部16ビット。128.0.0.0~128.0.255.255
  • クラスCがネットワーク部24ビット。192.0.0.0~192.0.0.255

じゃあなんでわざわざクラスじゃない割り当てであるところのCIDRを使い始めたかというと、

アドレスクラスを用いたIPアドレス割り当てには問題が生じた。ほとんどのネットワーク(たとえばインターネットサービスプロバイダ)ではクラスAでは大きすぎ、クラスCでは小さすぎたため割り当ての要求がクラスBに集中したのである。クラスBの割り当てを受けたネットワークの中には65,534台のホスト(インターネットサービスプロバイダであれば接続ユーザー数)を同時にすべて接続することがまれであるネットワークも存在し、IPアドレスが無駄に消費されることになった。

IPアドレス - Wikipedia

クラスAだと割り当てられるIPアドレスの数って1677万721で、クラスBが6万5536、クラスCが256の固定値で絶妙に使いにくかったから。

小さいネットワークを作ろうと思ったときにクラスAだと多すぎて、そんなにIPアドレス使わないのに維持管理に余計な工数かかるので、まあ松竹梅の竹選んどこ的な感じでクラスBが使われることが多かった。

とはいえクラスAもBも無駄多いので、動的にネットワーク変えられないの?って思って誕生したのがCIDR。


IPv4の枯渇

上で書いたIPアドレスのことをIPv4って呼ぶが、その番号誰が割り当ててくれるのってICANNであり、日本だとAPNIC(Asia Pacific Network Information Centre)という地域インターネットレジストリ(RIR:Rogional Internet Registry)が割り当ててくれる。

日本はJPNICという国別インターネットレジストリ(NIR:National Internet Registry)に所属しているが、JAPANICはIPアドレスの在庫を持っていないので、APNICに払い出してもらうことになる。

そのIPv4はもう枯渇していて、2011年4月にIPアドレス在庫が枯渇している状態。
これからの話じゃなくてすでにないという。

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IPv4アドレスの在庫枯渇に関して - JPNIC


とりあえずは企業から返却されたIPアドレスを使っているが、IoT時代でとにかくインターネットにつないどけば、機械学習とかで分析できるやろな感じなので余計に枯渇するよねって話。


たまに見る光回線なのにインターネットクソ遅い問題みたいなのは、IPv4の上限ギリギリでみんな使ってるから混んでいるという話もあったりする。

IPv6にすることで早くなるみたいなのって結局誰もIPv6使ってないからという話で、今は早いかもしれない。
www.itmedia.co.jp

IPv4やべえって話。